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音楽史の基礎文献!
J.S.バッハと同時代のハイニヘンの実践的教本,待望の完訳!
ヨハン・ダーヴィト・ハイニヘンは1683年生まれ。J.S.バッハの2歳年上で,バッハがケーテンの宮廷楽長に就任した同じ年に,ザクセン選帝侯下のドレスデンの宮廷楽長となった人物である。J.G.ヴァルターは『音楽事典』でバッハよりも多くの紙幅を割いてハイニヘンを紹介し,音楽史家C.バーニーは「ドイツのラモー」とハイニヘンを称えている。
ライプツィヒの聖トーマス学校でヨハン・クーナウらに教えを受け,ライプツィヒ大学法学部に進学後も,テレマン創立のコレギウム・ムジクムや,ライプツィヒの新しいオペラ劇場で,チェンバロ奏者として活躍。
大学卒業後は弁護士として働いていたが,1709年,ザクセン・ツァイツのナウムブルクの宮廷楽長となったのを機に,音楽の道へ。オペラ,宗教曲,世俗カンタータ,協奏曲など,旺盛な作曲を展開し,イタリアでも数年にわたりオペラ上演などの活動をおこなった。
弱冠28歳で,本書『新しい通奏低音奏法』をハンブルクで出版。書名に「愛好家が独学でも通奏低音を習得できるように」とうたい,多数の譜例を掲載して,徹底的に実践的にまとめられた教本である。この時代の即興や作曲に関する考え方,劇場様式(レチタティーヴォ)の奏法,修辞学と関連したインヴェンツィオ(主題)の創作,アフェクト(情念)の表現についても説明されており,バロック音楽を理解するための最高の概説書ともなっている。
本訳書の特徴はもう一つ。ハイニヘンは46歳で若くして亡くなったが,その直前,900頁を超える大著『作曲における通奏低音』(1728年)を出版している。その内容は前著の増補改訂版と言えるため,本書では「解説」で,2冊の間でどのような相違があるのか,ハイニヘンの音楽観の変化など,そのエッセンスを詳しく紹介している。この1冊で,ハイニヘンの著書2冊についての概要をつかめるようになっている。
50頁を超える「解説」はほかに,ハイニヘンの人物像と作品の概要,同時代の評価,音楽論の特徴などを詳述している。
付録には,ハイニヘンが2冊の著書で紹介したチェザリーニとアレッサンドロ・スカルラッティのカンタータ全曲を,ハイニヘンの指示に基づいて現代のチェンバロ奏者がリアリゼーションした例を掲載。ハイニヘンの教えを音楽で実地に確認できる。
・ヨハン・ダーヴィト・ハイニヘン(著)久保田 慶一(編著)久保田 慶一(訳)小沢 優子(訳)
・版型:A5
・総ページ数:324
・ISBNコード:9784810530063
・出版年月日:2022/01/14
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ハイニへン「新しい通奏低音奏法(1711年)」全訳と解説 / 道和書院
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