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作曲家は、テクノロジーに何を夢みたのか──
日本の電子音楽70周年の今年、
武満徹研究の決定版がついに刊行!!
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★佐々木敦さん(批評家、HEADZ)推薦!!
あの伝説の「月刊デスコ」から『武満徹の電子音楽』に至るまで、川崎弘二のスタンスは一貫している。
すなわち、調べて、調べて、調べて、調べ尽くした上で、更に調べ続けること。
その終わりなき作業の只中から、音楽の秘密の歴史が、音楽の歴史の秘密が、悠然と、敢然と立ち上がる。
アカデミシャンの出世願望ともマニアの自己陶酔とも全く違った、純然たる「知ること」への欲望、
知れば知るほど知らないことが無限に出てくるというエンドレス調査発掘発見の悦びが、そこには溢れかえっている。
音楽研究のポトラッチ、音楽批評の真のハードコア、これがそれだ。
★高橋アキさん(ピアニスト)推薦!!
1968年4月、私は武満さんたちとタクシーに乗っていた。
そこに突然、マーティン・ルーサー・キング牧師が暗殺されたというショッキングなニュースがラジオから飛び込んできた。
そして暗殺前日のキング牧師の演説が流された。武満さんはすぐに同乗のマネジャーに
「この演説の録音を手に入れられますか」と声をかけた。私はその思いがけない言葉に驚いた。
同時に「あぁ、追悼の音楽をミュジック・コンクレートで作るつもりなのかな?」と閃いた。
実際作られたのかは知らない。けれどあの頃はミュジック・コンクレートという発想が自然に出てくる時代だった。
後年、武満徹というとドビュッシー、メシアンの流れを汲む流麗な音色のオーケストラや室内楽の作品、
またポップなソング集の作曲家のイメージが定着するけれど。
この本は驚くほど綿密に調べた資料から構成されている。
如何に武満が十代の頃からミュジック・コンクレートに興味を抱き、これからの音楽として、
映画、演劇、放送などの作曲で、さまざまに実験を重ねていたかがよくわかり興味が尽きない。
これは天才的作曲家、武満徹の通過して来た時代の証であり、
また共に生きて仕事をしてきた人たちの記録ともなっていて大変貴重だ。
★Koji Nakamuraさん(音楽家)推薦!!
川崎さんの本に出会ったのは、10年ほど前、家具屋で買い物をしていた時だった。
家具屋に置いてあった「日本の電子音楽」というタイトルの本は、私の興味をそそった。
ちょうどNHK電子音楽スタジオの音源を収録したCD「音の始源を求めて」のリリースもあったからだろう。
日本の電子音楽の歴史をそれほど知らなかった私は、その本の内容に驚いた
。日本の電子音楽がとてもモダンで先駆的で、柔軟で、独創的で。私の中の日本の電子音楽のイメージは大きく変わった。
新しい本は武満徹の本である。この本を読み始めた前後に、数人の音楽家たちと新しく出会い、
各々の理想、描くビジョンのような音楽の話をしていた。
「調律された音楽のなかに騒音をもちこむ」この本の冒頭でもでてくる武満徹の言葉と同じような事を皆言っていた。
私は奇妙な気分になった。1950年代の若い武満徹と今いる音楽家たちが同じ想いのまま、音楽と自分と格闘している。
60年以上前の遠い過去の話ではなく、この言葉への想いはテクノロジーが進んだ今でも本質は何も変わらず今も存在している。
それは、我々が日本人だから出てくる感覚なのかもしれない。
この本では武満徹を軸に、知らなかった50年代、60年代の日本のエンターテイメント/カルチャーの様子が書かれている。
そして、オリンピック、万博の様子も。これまた奇妙なことに、いま日本は新たなオリンピックそして2025年大阪万博をひかえている。
あの時の日本人が何を考え、そして今の日本人が何を選択していくのか。この本、武満さんを通して何か感じるものがあると思う。
・・・その他。
【内容見本(PDFファイル)】
武満徹の電子音楽_本文1
武満徹の電子音楽_本文2
武満徹の電子音楽_人名団体名索引
武満徹の電子音楽_作品索引
プロフィール
川崎弘二(かわさき・こうじ)
1970年大阪生まれ。2006年に『日本の電子音楽』、2009年に同書の増補改訂版(以上 愛育社)、2011年に『黛敏郎の電子音楽』、2012年に『篠原眞の電子音楽』、2013年に『日本の電子音楽 続 インタビュー編』(以上 engine books)を上梓。CD『NHK 現代の音楽 アーカイブシリーズ』(ナクソス・ジャパン)における黛敏郎/湯浅譲二/松平頼暁/林光/石井眞木/一柳慧、実験工房の解説をそれぞれ執筆(2011?13年)。2011年から雑誌『アルテス』にて「武満徹の電子音楽」を連載(2015年まで)。2014年にNHK Eテレ「スコラ 坂本龍一 音楽の学校 電子音楽編」に小沼純一、三輪眞弘と出演。2013年から2014年にかけて神奈川県立近代美術館/いわき市立美術館/富山県立近代美術館/北九州市立美術館/世田谷美術館にて開催された「実験工房展」の関連イベント「ミュージック・コンクレート 電子音楽 オーディション 再現コンサート」を企画。2015年に開催された「サラマンカホール電子音響音楽祭」にてプログラム・アドバイザーを担当。2017年に芦屋市立美術博物館にて開催された「小杉武久 音楽のピクニック」展に企画協力/図録編集/上映会企画にて参加。ttp://kojiks.sakura.ne.jp/
CONTENTS
一九四八年?一九五四年
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一九七四年
一九七五年
一九七六年
一九七七年
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一九七九年
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一九八一年
一九八二年
一九八三年
一九八四年
一九八五年
一九八六年
一九八七年
一九八八年
一九八九年
一九九〇年
一九九一年
一九九二年
一九九三年
一九九四年
一九九五年?一九九六年
註
索引
・版型:A5
・総ページ数:1160
・ISBNコード:9784865591859
・出版年月日:2018/07/14
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武満徹の電子音楽 川崎弘二/著 / アルテスパブリッシング【ネコポス不可】
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