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音楽を通して世界を考える
東京藝術大学音楽学部楽理科土田英三郎ゼミ有志論集
東京藝術大学音楽学部・土田 英三郎教授担当のゼミナール(土田ゼミ)ゆかりの研究者総勢 3 3 名による論文集。2020 年 3 月の土田教授の退任という節目に発行。
国内外で活躍する土田ゼミ出身研究者たちの最新の研究成果(書き下ろし論文および翻訳)をまとめた、音楽学研究の“いま”がわかる一冊。
【目次】
〈第 1 章〉日本における西洋音楽、西洋における日本音楽
〈第 2 章〉18・19 世紀独・墺における作曲家と作品
〈第 3 章〉ロマン主義の作曲家像
〈第 4 章〉独・墺における作曲様式と理論─20 世紀の黎明
〈第 5 章〉18 世紀以前の音楽理論の諸相
〈第 6 章〉18・19 世紀の諸作品への分析的眼差し
〈第 7 章〉歴史的演奏実践への眼差し
〈第 8 章〉社会的営為としての音楽
【論文タイトル・執筆者名】
〈第1章〉日本における西洋音楽、西洋における日本音楽
[翻訳と解題]
ルードルフ・ディットリヒ「日本音楽を知るために」─ 海外における日本音楽受容史の一史料
土田英三郎=訳
本邦における《メサイア》受容について
河村泰子
戦前・戦中の室内楽奏者としての朝比奈隆 ─ ラジオ番組と演奏会での活動
西村 理
ヴァンサン・ダンディを位置づける ─ 日仏の言説比較によるヴァグネリスムとドビュッシスム考
安川智子
〈第2章〉18・19世紀独・墺における作曲家と作品
ボンのベートーヴェン、ヴィーンのベートーヴェン
丸山瑶子
ベートーヴェンの作品タイトルをめぐる試論
越懸澤 麻衣
オットー・ヤーンのモーツァルト評伝と《皇帝ティートの慈悲》─ 19世紀におけるオペラ分析についての一考察
大津 聡
[翻訳と解題]
フィリップ・シュピッタ「芸術学と芸術」
朝山奈津子=訳
〈第3章〉ロマン主義の作曲家像
《地上的なものの虚無を認知すること》─ シューベルトと悲劇
堀 朋平
メンデルスゾーンの「宗教改革」─ 交響曲における声楽性
高橋祐衣
シューマンの所持していたパガニーニ《24のカプリース》op.1の楽譜について
鄭 理耀
フランスにおけるベルリオーズ受容の150年 ─ 没後の蘇演から、21世紀音楽の基盤となるまで
塚田花恵
『ポルゲスの手記』に見るR. ワーグナーの楽劇像 ─ 1976年パトリス・シェロー演出《ニーベルングの指環》への論考を通じて
舘 亜里沙
〈第4章〉独・墺における作曲様式と理論 ─ 20世紀の黎明
F. ブゾーニの「絶対的な音楽」─ ヴァイオリン・ソナタ第2番をめぐって
畑野小百合
20世紀初頭ウィーンの「創造的音楽家協会」─ 室内楽曲を中心とした様式と評価
佐野旭司
[翻訳と解題]
フーゴー・リーマン「〈音想像論〉の着想」[抄訳]
西田紘子=訳
シェーンベルクのオペラ《モーゼとアロン》における形式の特性 ─《管弦楽のための変奏曲》op. 31との比較を通じて
山岸佳愛
〈第5章〉18世紀以前の音楽理論の諸相
13世紀における逆プロプリエタス
井上果歩
チャールズ・バトラーとイングランドの音高組織
三城桜子
[翻訳と解題]
フランソワ・カンピヨン『音楽のオクターヴの規則による伴奏と作曲に関する論考』
伊藤友計=訳
[翻訳と解題]
シャルル・アンリ・ド・ブランヴィル『第3の調(モード)についての試論』
関本菜穂子=訳
〈第6章〉18・19世紀の諸作品への分析的眼差し
J. S. バッハのケーテン時代までの3つの旋律の転回
村田圭代
オクターヴ下行跳躍の修辞的意味
沼口 隆
リストのピアノ・ツィクルスにおける3度調配列
上山典子
1850年代に成立したヴァーグナーの楽劇におけるライトモティーフ技法とベートーヴェンのシンフォニーにおける展開部の関係
稲田隆之
〈第7章〉歴史的演奏実践への眼差し
「解釈の鏡」としてのポリフォニー編曲作品 ─ フランチェスコ・ロニョーニ・テッジォのディミニューション分析
菅沼起一
プロイセン王フリードリヒ2世時代(1740〜1786)におけるベルリン宮廷楽団の奏者数 ─ ドレスデン宮廷楽団との類似と独自性の解明
新林一雄
[翻訳と解題]
ミシェル・コレットの教則本『至高の歌唱教師─声楽と器楽を容易に習得するためのメソード』(1758)[抄訳]
川田早苗=訳
真珠の比喩と「フランス的」なピアノ演奏様式の成立に関する試論
上田泰史
〈第8章〉 社会的営為としての音楽
D. シェートリヒの『寄進による音楽』(1681)─ 17世紀ニュルンベルクにおける晩課音楽の一例として
近松博郎
ボリショイ劇場上演状況に見るソヴィエト・オペラの生成過程
中田朱美
「競争」から「共創」へ ─ 国際音楽コンクールの現在
神保夏子
拡張する「共創」─ アートのアーカイビングと表現の連鎖
高坂葉月
【「土田ゼミ」主宰者 プロフィール】
土田 英三郎(つちだ えいざぶろう)
東京藝術大学音楽学部楽理科教授。専門は音楽学(西洋音楽史、特に18〜19 世紀、音楽理論史)。
1952 年、東京生まれ。1977 年、東京藝術大学音楽学部楽理科卒業。1981 年同大学院音楽研究科博士後期課程音楽学専攻中退。同大音楽学部常勤助手、常勤講師、助教授を経て2003 年より現職。主な研究課題は音楽形式の歴史とその理論(史)、交響曲の歴史、作曲家・作品研究ではベートーヴェンとブルックナー。著書に『ブルックナー』(新潮社)、共著に『ベートーヴェン事典』(東京書籍)、『ベートーヴェン全集』(講談社)、共訳書に『新グローヴ オペラ事典』(白水社)、L. ロックウッド『ベートーヴェン:音楽と生涯』(春秋社)、訳書に M. E. ボンズ『ソナタ形式の修辞学:古典派の音楽形式論』(音楽之友社)等がある。日本ベートーヴェンクライス副代表。
【土田ゼミとは】
西洋音楽文化を広く対象として研究。実証的な資料研究だけでなく、作品や演奏について社会的、歴史的ないし美学的関係性のなかで考察。各人の主体性に基づいて新しい音楽学研究に触れることを促し、ゼミ内で知見を共有してきた。本書ではそんな土田ゼミらしい多様な音楽学的関心が示されている。
【執筆者一覧】(掲載順)
土田英三郎、河村泰子、西村理、安川智子、丸山瑶子 、越懸澤麻衣、大津聡、朝山奈津子、堀朋平、高橋祐衣、鄭理耀、塚田花恵、舘亜里沙、畑野小百合、佐野旭司、西田紘子、山岸佳愛、井上果歩、三城桜子、伊藤友計、関本菜穂子、村田圭代、沼口隆、上山典子、稲田隆之、菅沼起一、新林一雄、川田早苗、上田泰史、近松博郎、中田朱美、神保夏子、高坂葉月
・版型:A5変
・ISBNコード:9784904049648
・出版年月日:2020/03/14
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音楽を通して世界を考える / 東京藝術大学出版会
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