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詳細情報
楽器修理人アムノンの元には、ホロコーストをくぐり抜けた多くの楽器が持ち込まれた。音楽を力に生き延びた有名無名の持ち主の物語。
内容説明
音楽が力、支え、ときには武器となった時代
楽器修理人アムノンの元には、ホロコーストをくぐり抜けた多くの楽器が持ち込まれた。音楽を力に生き延びた有名無名の持ち主の物語。
「これらの楽器は、あの世からの証言なのです。」
音楽が生きる力、命を救う手段、そして復讐の武器だった時代、ユダヤ人ゲットーで、強制収容所で、パルチザンの部隊で、ヴァイオリンとともに生きた有名無名の演奏家たちがいた。
「一九八〇年代末に、アウシュヴィッツでヴァイオリンを弾いていた男がアムノンの工房を訪れた。死の収容所を出てからこのかた手を触れずにきた自分の楽器を、孫息子のために修復してほしいのだという。ヴァイオリンの表板は演奏中に雨や雪にさらされたせいでぼろぼろになっていた。分解すると中から灰が出てきた。どう考えても、アウシュヴィッツの死体焼却場から舞い落ちてきたものだ。」(本文より)
「これらの楽器は、あの世からの証言なのです。」
テルアビブの楽器修理人アムノン・ヴァインシュテインは、一族がナチスに全滅させられたことをきっかけに、ホロコーストをくぐりぬけた楽器の修復と再生「希望のヴァイオリン」プロジェクトを立ち上げた。さまざまな人々や遺族・友人が、彼の元に楽器を持ち込んだ。
それらのヴァイオリンは、あるものはドイツのゲットー内で結成されたユダヤ文化同盟のオーケストラで演奏され、ユダヤ人の強制収容が本格化する直前にパレスチナへ渡った。またあるものは老朽船に定員の三倍から五倍もの難民とともに詰め込まれ、各国間の外交駆け引きのはざまで、約束の地を目前にして地中海からインド洋上までたらい回しにされた。アウシュヴィッツでは、楽器を演奏できることが囚人の生き延びる可能性を高め、ノルウェーでは一挺のヴァイオリンがユダヤ人排斥運動の口実となった。そしてある日出会った楽器は、まさにアムノン自身につながる品だった——。
メンゲレの誕生日を祝うパーティーで演奏した囚人や、ヴァイオリンの腕前を武器に両親の敵をとった少年など、苦難の時代を楽器とともに生きた演奏家たちの物語。
[目次]
プロローグ アムノンのヴァイオリン
第1章 「ワーグナー」のヴァイオリン
第2章 エーリヒ・ヴァイニンガーのヴァイオリン
第3章 アウシュヴィッツのヴァイオリン
第4章 オーレ・ブルのヴァイオリン
第5章 ファイヴェル・ヴィーニンガーのヴァイオリン
第6章 モテレ・シュラインのヴァイオリン
エピローグ シモン・クロンゴルトのヴァイオリン
謝辞
訳者あとがき
参考文献
原註
索引
[原題]
Violins of Hope: Violins of the Holocaust—Instruments of Hope and Liberation in Mankind’s Darkest Hour
[著者略歴]
ジェイムズ・A・グライムズ James A. Grymes
アメリカの音楽学者、ノースカロライナ大学シャーロット校教授。フロリダ州立大学でPhDを取得、ハンガリーの作曲家ドホナーニについて、評伝Ernst von Dohnanyi: A Song of Life(イローナ・フォン・ドホナーニとの共著)ほか、複数の著書がある。邦訳は本書が初めて。
[訳者略歴]
上智大学法学部国際関係法学科卒業、
翻訳家
訳書に、コリンガム『戦争と飢餓』(河出書房新社)、レスター『ダ・ヴィンチ・ゴースト——ウィトルウィウス的人体図の謎』、シャピロ『マンモスのつくりかた——絶滅生物がクローンでよみがえる』(以上、筑摩書房)など。
*略歴は刊行時のものです
・版型:四六判
・総ページ数:284
・ISBNコード:9784560084786
・出版年月日:2016/03/05
【バイオリン】【】
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希望のヴァイオリン ホロコーストを生きぬいた演奏家たち / 白水社
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