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本書で検証される誤解と俗説
マーラーの交響曲において「標題」とは何か
第一番を《巨人》と呼ぶのは誤りである
アルマの回想録の嘘
第二番第五楽章の歌詞はほとんどがマーラーの詩である
戦時下の日本中でマーラーが鳴り響いた日々
第三番のタイトルはなぜ無視されるのか
第四番の最も不適切なタイトル
マーラーとバイロイト
第五番こそ第一番である
第六番の《悲劇的》はタイトルではない
第七番を《夜の歌》と呼ぶのは、ただの間違いだ
ヴァルターもクレンペラーも弟子ではない
第八番を《千人の交響曲》と呼ばれることをマーラーは拒否した
《大地の歌》は交響曲か?
フルトヴェングラーはマーラーが苦手だったのか
第九番はこのうえもない幸福な日々の中で書かれた
第十番はどうして完成されなかったのか
はじめにより
マーラーほど紋切り型の言葉で語られる作曲家はいないのでは、と思うほど、
「死の影におびえていた」とか「不遇であった」などと繰り返し書かれ続けている。
そういった思考停止状態のおざなりな解説が、
近年ますます増えているようにも思われる。
マーラーに関して根強くはびこっている俗説をできるだけ信頼できる資料に基づいて検証したのが本書の主要な部分である。
LPとCDに関しては、すべて収集した現物に当って確認している。
本書が、マーラーの音楽をこよなく愛するがゆえに、惰性で付けられている「タイトル」や決まり文句のような解説などに違和感を持ちつづけている人のモヤモヤ感解消の一助
となれば幸いである。
さらに言えば、日本でのマーラー受容をめぐる現在の状況に一石を投じるものになれば、著者としてこれ以上の歓びはない
・版型:四六
・総ページ数:224
・ISBNコード:9784871983136
・出版年月日:2014/12/25
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マーラーを識る 神話・伝説・俗説の呪縛を解く 前島良雄/著 / アルファベータ
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